はじめに:「合法」の言葉に安心していませんか?
「この商品は日本への個人輸入が合法です」
「正規ルートで安心・安全」
「自己責任でOK!」
こうしたうたい文句を掲げる海外通販サイトや輸入代行サービスを見かけたことはありませんか?
一見、信頼できそうな響きですが、その言葉を鵜呑みにするのは非常に危険です。
本記事では、海外通販サイトの甘い宣伝の裏に潜むリスクや誤解、そして実際に起きたトラブル事例を紹介しながら、正しい判断のための知識をお届けします。
「合法です」は本当か?グレーゾーンな言い回し
❖ サイトの「合法宣言」は日本の法律とは無関係
多くの海外サイトは「Legal(合法)」と記載していますが、それはあくまでその国の法律での話。
日本国内での輸入・使用・所持に問題がないかどうかは、まったく別の問題です。
例:アメリカで市販されているダイエット薬が、日本では未承認成分を含み「薬機法違反」に該当
❖ 「自己責任だからOK」は非常に危険な論理
確かに、個人使用目的であれば一部の薬の個人輸入は認められていますが、それはあくまで限定的な条件のもと。
すべてが「自己責任で自由に買える」わけではありません。
よくある甘い宣伝文句とそのウラ側
宣伝文句 | 実際のリスク |
---|---|
「個人輸入OK!」 | 成分が日本の禁止薬物に該当し、没収・罰則の対象になる可能性 |
「医師の処方不要!」 | 日本では処方箋が必要な薬で、未診断で服用すれば健康被害の恐れ |
「〇〇省認可の正規品」 | 日本の厚労省とは無関係。現地認可=国内合法ではない |
「第三者機関で成分検査済み」 | 調査機関や検査方法が不明確で、信頼性に欠けるケース多数 |
実際にあったサイトトラブルと被害例
◉ 事例1:偽造されたAGA治療薬が届いた
海外通販サイトで「カークランド製ミノキシジル」を購入した男性。
届いた商品はラベルやパッケージが本物と微妙に異なり、においも不自然。
検査の結果、有効成分が大幅に不足していたと判明。
◉ 事例2:注文後に連絡が取れなくなった
日本語に対応した個人輸入代行サイトで医薬品を注文したが、決済後に発送連絡なし、サイトも消失。
調べてみると、詐欺まがいの業者だったことが後から判明。
偽物・違法表示を見抜くためのチェックポイント
- サイト運営会社の住所・連絡先が実在するか
- 商品に日本で未承認の成分が含まれていないか
- 過剰に安すぎる価格設定ではないか(正規品の半額以下などは要注意)
- SNSや掲示板で過去に被害報告がないかをチェック
- 販売元のレビューが実在し信頼できる内容か
「日本語だから安心」も落とし穴
日本語対応サイトであっても、海外の無登録業者が自動翻訳で運営しているケースは多くあります。
安全な買い物のために覚えておきたいこと
安全な選択肢 | 理由・補足 |
---|---|
国内で承認された医薬品を購入 | 厚労省の審査済みで、安全性・効果が証明されている |
医師の処方で入手 | 用量・用法を正しく守れる上、副作用管理もできる |
信頼できる登録販売業者を利用 | 登録業者リストは厚労省サイトで確認可能 |
まとめ:「合法です」は、信じる前に疑うのが正解
海外通販サイトの甘い言葉の多くは、日本の法制度や安全基準を無視したものです。
「自己責任」と言われても、健康を害したり違法行為に巻き込まれてしまっては、後悔してもしきれません。
大切なのは、価格よりも信頼性。
「本当に安全か?」「日本で使っても問題ないか?」を、自分で確認できる知識と慎重さが求められます。